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消費者金融こぼれ話  第一話【500円の男】

2017年08月06日
取り立ての秘密
≪消費者金融こぼれ話  第一話【500円の男】≫

消費者金融こぼれ話  第一話【500円の男】



いまどきの消費者金融はあまり訪問に行かないそうですが、つい10年くらい前までは訪問は取り立ての基本でした。

訪問による「取り立て」は、生身の人間同士のやり取りなので、そこから生まれるドラマも多く、今より顧客との距離ももっと近かったように思います。

新入社員が入ったら、“まずは、訪問に同行させて現場に慣れさせる”というお決まりのコースもありまして、そこで2回ほど先輩社員に同行してもらった後、新入社員は晴れて独り立ちをすることになるわけです。

さて独り立ちを許された新人君は、鼻息も荒く、やる気に燃えて、いざ訪問に出かけるのですが、熟練の債務者と新入社員では、相撲で言えば、横綱と序の口。

まさに初めてのお使いよろしく、適当な口約束で手玉に取られて、みごとに追い返されてしまいます。そして会社で上司に怒鳴られるというのも、もう一つのお決まりのコースでもありました。

まあ、新入社員には、「かわいがり」の意味も含めてわざと手強い顧客をぶつけたりするものですが、これも、仲間になるための通例儀式みたいなものでもあります。

消費者金融から取り立てをされる「債務者」と言うと、なにか弱々しい被害者のイメージがあると思いますが、中には、回収担当を軽く手玉に取るような、たくましい債務者もいたものです。

ひと昔前は、どこの消費者金融の支店にも、新入社員の「しごき相手」が出来るような、煮ても焼いても食えない、名物顧客が必ずいました。

今回は、「消費者金融こぼれ話」として、回収担当の上を行く、そんな「名物顧客」の話を紹介したいと思います。
尚、人物、団体を特定できないように、名前や場所については脚色しているものの、99%は筆者の実際の体験談です。


第1話【500円の男】



筆者がかつて勤めていた消費者金融の支店には、集金に行けば、必ず500円だけ支払うという顧客がいました。「前の担当とそのような話になっている」という話でしたが、いつ誰とそのような約束をしたのか、誰もわかっていない状態でした。

当時の消費者金融は、従業員の定着率も悪く、3年ほど経てば、メンバーが総入れ替えされているといことも珍しくありませんでした。店長も、最近、本部から転勤してきた人だったりするので、少なからず、このように前任と謎の約束を取り交わしたという人物が出現することもありました。

さて、この500円男、残金は約50万円ほどでした。そして誰が和解したか分からないが、金利は0円になっています。

金利0円でも、50万円を月々500円づつで返済すると、計算上は1,000回、なんと83年以上かかるという無茶苦茶な話です。

もちろん差押えできるようなものは何もなく、他の顧客の集金ついでに、寄ってきては、毎月500円を回収してくるという体たらくでありました。

当時、新しく回収担当として赴任してきた筆者は、その有り様を見て、回収担当に激を飛ばします。

筆者:「お前ら、乞食じゃないんだから、500円なんて貰ってくるのはもうやめろ!」

担当:「でも、もう何年も続けているから、これ以上、金額上げるのは難しいですよ。」

筆者:「金融マンとしてメンツを立てられないなら、もう回収に行かなくてもいい!」

筆者としては、いつまでもこのような取引を続けていることが、社員教育上も良くないと判断しての発言でした。
そんなやりとりもあって、500円男のところには、もう集金には行かないことに決まり、数カ月が経過しました。


500円の男 こぼれ話2


さて、消費者金融には貸出しの営業目標だけでなく、不良債権の回収目標も本部から課せられています。
そして時には、回収目標の数値が、貸出し目標の数値よりも重視されることもあります。

その当時も、会社を上げて、不良債権の回収を強化するということで、各支店でいわゆる「不良債権比率」を競わせていました。
そして、ついには回収率が最優秀の店舗には、なんと、従業員全員に金一封が支給されるという、社内キャンペーンがスタートするまでに至りました。

このような不良債権回収のキャンペーンは、従業員の取り立てがエスカレートする可能性もあるので、今では、あまり聞きませんが、昔はどこでもあったようです。

現金なもので、目先にニンジンをぶら下げられれば、俄然やる気が出るものです。

筆者の店舗もご多分に漏れず、皆、血眼で、不良債権の回収に必死でした。

その甲斐あって、筆者の店舗は、月末最終日の段階で、全支店中、2位の位置まで、こぎつけていました。

そして競合店舗は、筆者の大嫌いなあの野郎がいる店舗です。(当時、店舗同士はあまり仲良くなく、むしろ牽制しあっているような関係でした。)

もちろん、金一封も魅力的でしたが、そんな個人的な感情もあって、どうしても、この店舗だけには、負けたくありません。

そして今やその1位店舗との差は、30万円までこぎつけました。

しかし、どうしても、本日中にこれ以上、回収できそうな顧客が見つかりません。
そんな時、ふとあの500円男のことが頭をよぎりました。

「奥の手だけど、あいつから500円徴収すれば、50万円分の不良債権が消える。これで大逆転してやる!」

かなりの反則技ですが、この際、きれいごとは言ってられません。

そう思うや否や、既に足は500円男の自宅に向かっていました。

筆者:「●●金融ですけど。」

男:「ああ、アンタか。ずいぶんご無沙汰だったね。もう来ないかと思ってたよ。」

筆者:「とりあえず、今回分の支払いをして下さい。」

男:「もう来ないと思ってたし、あいにく、今日は全く持ち合わせがないよ。」

筆者:「持ち合わせがないって、500円くらいなんとかして下さい。」

こんなやり取りが続いたあと、500円男は最終的にこう言い放ちました。

男:「200円ならあるけど、どうする。」

筆者:「に、200円って・・・・」

その後、筆者の居た店舗は、不良債権の回収でみごと最優秀賞を獲得し、支店の従業員全員が金一封を獲得することとなります。

その後、筆者は配属異動もあったので、例の500円男がどうなっているかはわかっていません。

しかし、あの500円男、筆者の後任の者には、おそらくこう言っていたことでしょう。

「俺は200円しか払わないよ。だって前任の人と約束したことだからね。」



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