元消費者金融幹部Nさんの告白(その④暗雲篇)

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元消費者金融幹部Nさんの告白(その④暗雲篇)


改正貸金業法が成立してから平成28年12月13日で10年が経過しました。
この間、消費者金融業界は、大手のほとんどがメガバンクの参加に入り、中小業者の多くは、「上限金利の引き下げ」、「総量規制」、「過払い金返還問題」などの逆風に耐え切れず、淘汰されてゆきました。
その結果、平成18年度末で11,832社もあった業者数は、平成27年度末では1,926社と6分の1以下に減少しました。
いったい、ここまで業界を締め付ける「改正貸金業法」とは何だったのでしょうか。
ある消費者金融会社の幹部だったNさん(仮称)の告白というスタイルで、そのことを紐解いていきたいと思います。


【暗雲編】



平成12年以降も【消費者金融=悪】というネガティブなイメージを払拭すべく、大手では、テレビCMによるイメージ戦略を採用していました。特にアイフルのチワワのCMなどは大人気で、業界の好感度UPに確実に貢献していました。

しかし、そんなCMの人気とは裏腹に、消費者金融の過剰な貸付けによる多重債務問題はどんどん社会問題化してゆきました。
深刻化する多重債務問題に対して、平成12年には特定調停法が施行されました。

また、平成14年には司法書士法が改正され、簡裁代理権を持つ認定司法書士が出現するようになりました。この認定司法書士制度によって、司法書士による債務整理が一般的になり、現在に至っています。

そのような中、個人の自己破産の申立て件数は増加し続け、平成15年には242,000件以上となりピークを迎えます。

一連の多重債務者対策によって、債務整理が業者にとって徐々に厳しい内容になってきたことは間違いありません。特に、認定司法書士の活躍は大きかったと思われます。

そのころNさんはキャリア的にも会社の幹部クラスでした。

「昔は司法書士が介入しても、権限がないから大したことなかったんだよ」

「しかし、奴らよく勉強してるよ。だけど手加減ってものを知らない奴が増えてきたよな」

Nさんが言うには、昔から債務整理で介入する弁護士はいましたが、だいたいの落としどころを見つけて、和解をするのもそれほど困難なことではなかったそうです。

それが、消費者金融を徹底的に追及するタイプの弁護士、司法書士が増えてきて、いつまでも和解ができず凍結してしまうようなケースも増えてきました。

凍結させても、この先、業界にとって有利な事例がでてくる見込みはありません。逆に不利な事例がでてくる可能性が大きいとも言えます。それに時効の問題もあります。

そのようなことを加味して、不本意な内容でも和解をすることも多かったようです。

「それでもまだましだったよ。あれが始まるまではよ」

平成18年の最高裁判決を機に、消費者金融業界には、本当の意味での激震が走ることになります。


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