今だから話せる消費者金融裏話

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今だから話せる消費者金融裏話



今でこそ多くの企業には「コンプライアンス重視」の考えが根付いてきていますが、実際、そのような考えが世間に広まってきたのは、ここ10年、15年のことではないでしょうか。

つい20年ほど前までは、「コンプライアンス」なんて言葉を聞いたことがない人が大半だったと思います。

これは企業に限らず、世の中全体の風潮が、鷹揚というか、牧歌的な時代だったように思います。

例えば、

「飲酒運転」、

「スピード違反や駐禁」、

「路上喫煙」、

「ポイ捨て」、

などなど、数々の法律・マナー違反を、普通の人でもかなりの頻度でやっていたものです。


そういえば最近は「立ち小便」をする人もほとんど見かけなくなったような・・


そんな風潮の中、どの業界も、20年、30年前までは、今よりも、かなり緩い体質であったことは間違いありません。

消費者金融業界も例に漏れず、今では、考えられないような手法で、業務が行われることもありました。

今回は、「今だから話せる、緩~い時代の裏話」をいくつか紹介してみたいと思います。



【信用情報の使い道】



指定信用情報機関での調査は、「申込者の返済能力調査」や「債権管理目的の調査」以外の目的では利用してはいけないことになっています。

なにせ、名前と生年月日さえ(現在は電話番号も必要)分かれば、誰の情報でも簡単に照会出来てしまうわけです。

個人情報の漏洩防止が厳しく言われるようになった昨今、業者には従業員が目的外利用をしていないか、監視することが義務付けられていますが、ひと昔前は、その辺りは、緩~い感じでした。

筆者は、ある消費者金融会社で働いていましたが、初めて信用情報の照会の仕方を教えてもらったときも自分自身の名前で照会させられたような覚えがあります。(完全な目的外利用です)

また、興味本位や知人に頼まれたりと、あまり悪びれずに目的外利用をする従業員は、昔は結構いたような気もします。


また、新入社員の採用有無を決めるのにも、指定信用情報機関の照会をしている会社もありました。

この調査で、当人やその家族が消費者金融から借入れがあったりすると、不採用の可能性が高くなるということです。

もちろん今現在は、そのようなことをやれば、業務停止のリスクも高く、社内チェック体制も厳しくなっているので、どこの会社もやっていないと思います。

※消費者金融の採用試験を受ける人で、不正に信用情報の照会がされていないか不安であれば、指定信用情報機関に問い合わせをすることも出来ます。



【他人の住民票申請はできるのか】



顧客が行方不明になったしまった時など、消費者金融会社は、住民票などを申請して、追跡調査をすることがあります。

通常、他人の住民票は「正当な理由」がなければ申請できません。

しかし、貸金業者の場合、「債権保全のため」ということで「契約書の写し等」を添付すれば、よほど疑わしい場合を除いて、郵送で簡単に申請することが出来ます。

つまり、契約書を偽装して、その写しを添付すれば、誰の住民票でも申請出来てしまうということです。

例えば、一家で行方不明になってしまった場合、借入れしている本人は、住民票を異動させていなくても、家族の誰かが異動させている場合もあります。

このような時、契約書の家族の住民票から、居住先を追跡できる可能性もあるというわけです。

もちろんこれも、やってはいけないことです。


これだけ、個人情報管理が厳しく問われる現在は、役所のチェックも厳しくなっています。
いまどき、リスクを冒してまで申請する会社もないでしょう。



【社員はキラキラネームばかり】



昔の消費者金融の取り立ては、今と比較するとかなり乱暴なものでした。
今や「大手」と呼ばれている会社でさえ、そのような面があったことは正直、否めません。

そのため、恨みを買うことも多いという配慮から、従業員に偽名を名乗らせて客に対応させている会社も多くありました。

その偽名を決めるについて、気の利いた会社なら自分で決めさせてくれたものです。

せっかく、偽名を決められるとなれば、気取った名前を付けたくなるのが人情ってもんです。

鈴木や加藤なんて平凡なのは、ちょっといただけません。

そんなわけで、

結城(ユウキ)、

吉川(キッカワ)、

白銀(シロガネ)

竜崎(リュウザキ)

といったキラキラネームだらけの店ができあがったりするわけです。

でも、笑ったりしちゃあいけません。

みんな若かったんです。

そんな文化もいつの間にか廃れてしまいました。


ちなみに現在の消費者金融の社員は、氏名、写真入りの社員証(証明書)の携帯が義務付けられており、偽名を使用することはありません。



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消費者金融の集金ノウハウ教えます (その② 実践)

キャッシング情報局

消費者金融の集金ノウハウ (その② 実践)



前回は、訪問集金に行く前に準備しておくことについて説明しました。
今回は、実際の訪問現場での実務について解説してゆきます。

またまた、キャッシング会社の若手は必見です。


【集金は何人でいくべきか】


そもそも訪問集金は何人でいくべきでしょうか。


筆者の意見では、ベストは2人です。


そもそも貸金業法は、取り立て行為をするにあたり、「威迫」や「人の私生活もしくは業務の平穏を害するような言動」を禁止しています。

貸金業の自主規制基本規則には、それにあたるものとして、「多人数で訪問すること(例示として3人以上)」をあげているので、まず3人以上での訪問はあり得ません。

では1人ではなく、なぜ2人かと言えば、

  • ①相方が無茶な取り立てをしていないことが証明できる。

  • ②顧客との裏取引をさせないようにする。

  • ③暴力的な相手から従業員の安全性を確保する。

  • ④交渉の掛け合いがしやすい。

といったメリットがあるからです。

各消費者金融会社は、人手不足だったりで、1回の訪問集金に2人も人を割けないという事情もあるかもしれませんが、自己防衛のためにも、訪問集金は、二人一組とするのがベストでしょう。


【現場でまずチェックすべきこと】



では、いざ訪問現場につきましたが、そこで何も考えずに、早速チャイムを鳴らしてはいけません。

チャイムを鳴らしたり、ドアをノックする前に、まずは、「居住者の気配がないか」チェックしておくことが重要です。


①窓から明かりが漏れていないか

多くの場合、入り口側の窓はカーテンがかかっていて、中の様子はうかがえません。
そんな場合、例えば建物の裏側に回って、明かりが漏れていたり、気配がないかを確認しておくという方法を取ることもあります。


②電気メーターの動きをチェック

多くの場合、電気メーターは、外から確認出来る位置に取り付けられています。
人が中に居る時と、誰もいない時では、電気メーターの動きは、全く違うものです。
一度、自分の家でチェックするとよくわかると思います。


③その他、生活感があるかチェック

例えば、
・洗濯物が干されているか。

・郵便受けに手紙、チラシ、新聞が溜まっていないか。

・自転車などが置かれていないか。

などなど、生活感があるかどうかは、実際に現場を見れば、よくわかるものです。


ここまでチェックしたうえで、チャイムを鳴らせば、もし出てこなくても、「不在」か「居留守」かは、なんとなく判断できるものです。

もし、生活感もなく、呼んでも誰も出てこない場合は、転居、夜逃げの可能性があります。
そのような時は、近隣住民に軽く居住確認をすることもあります。

その際も、消費者金融とわかるような社名を出したり、手紙を預けるなどの行為をすることは、絶対にNGです。


また、そのような時、業界で定番の対応は、「玄関ドアに小さな紙を挟んでおく」というものでした。


そして、後日、訪問した際に、その紙が挟まったままかどうかで、帰宅しているかどうかを判断するというわけです。

もともと、不在である可能性が高いのに、わざわざ出向くわけですから、居住確認くらいはきちんととってくるのがプロの仕事でしょう。


【現場での交渉は】



さて、次は顧客が出て来て交渉する場合です。

ここでは、後日、顧客から、クレームが出ない対応が必要とされます。

「家にまで来て脅迫された」などと揚げ足取りをされないように言動には十分、注意が必要です。

具体例をあげると、


①勧められても家には上がり込まない

勧められると、つい、ノコノコ上がってしまうこともありますが、(かく言う筆者も、ノコノコ上がり込んで話をしたこともあります。)顧客と反目した場合は、家宅侵入罪なんてことを言われかねません。
話は玄関で行います。


②退去を求められたら、速やかに退散する

顧客が、家族に内緒であったり、来客中だったりする場合もあります。
退去を求められたら、話が出来なくても、後日、連絡下さいと言って、速やかに退散して下さい。
退去を求められたのに居座ることは、貸金業法でも禁止されています。


【訪問の真の目的とは】



せっかく訪問して、顧客が出てきたのであれば、なんとか現金を集金してゆきたいと思うのは人情です。

しかし、その場であまり無茶な要求をすることは慎むべきです。


それよりも、せっかく顧客と面識を持つことが出来たわけなので、顧客との信頼関係を構築することが最も重要なことです。


そこで全額集金できるわけでなければ、顧客との関係は、今後も継続することになります。

この機会に、顧客との信頼関係をきちんと構築して、今後、返済が遅れるときは、連絡が入るようにすることです。

その方が、その場で無理やりいくらかの現金を集金するよりも、ずっと価値があることだと言えます。


まあ、今回、いろいろ能書きを記しましたが、現実はそうそう上手くはいきません。


しかし、筆者がその訪問経験から学んだことは、やはり、「信頼関係を構築することの重要性」です。


訪問に行ったら、構えた怖い顔で、頭ごなしに説教するのではなく、ニコっと笑ってこう言って話を始めて下さい。

「〇〇さん、どうしちゃったんですか。連絡もないから心配してましたよ。」


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消費者金融の集金ノウハウ教えます (その① 事前準備)

キャッシング情報局

消費者金融の集金ノウハウ教えます (その① 事前準備)




最近の消費者金融は集金に行くことが少ないらしいですね。

営業スタイルを、地域密着型から全国展開型へ変更している会社が多いから、そもそも訪問可能な範囲に顧客が住んでいないというのも理由の一つでしょう。

若い社員の中には、一度も集金に出たことがない人もいるんじゃないでしょうか。

筆者が若いころは、業務の大半が訪問集金でした。
ホント、朝から晩までしょっちゅう行かされたもんです。

でも訪問集金なんて、むやみやたらに行っても、その多くが、不在で、ポストにただ督促状を置いてくるだけで終わってしまうことになってしまいます。

まあ、集金に行ったふりして遊んでるような従業員も結構いましたけど

息抜きのドライブのつもりならいいけど、どうせ行くなら効果的に行くようにしないと駄目ですよね。


そこで今回は、筆者の長年の経験から得た、訪問集金のノウハウについて徹底解説しようと思います。
なので、キャッシング会社の若手は必見です。

あっ、でも、この集金方法は、オリジナルな部分もあるので、キャッシング業者全員が同じことやってるわけではありません。

あと業者の人が同じことをやって、何かあっても、一切責任は持てないので悪しからず。


【事前調査で件数を絞る】



延滞している顧客、全てに訪問集金を行うことは非効率です。
基本的には、返済が遅れていて連絡が取れない客だけに絞ります。

返済が遅れてから1週間くらいは、電話や郵便督促などで、入金約束をつけて、第一段階の絞り込みをします。

それでも連絡が取れず、残った延滞者が訪問集金対象者になります。
しかし、せっかく訪問に行っても、顧客が転居していたりすることもあるので、出来れば、さらに事前調査で居住確認を取りたいところです。



ここで、活躍するのが、「電報」です。



電報なんて、一般の人には、冠婚葬祭以外あまり馴染みがないかもしれませんが、消費者金融では顧客の居住確認をとる手段としてよく利用されています。

電話連絡がつかない場合、電報を打てば、電報センターの配達員が現地まで、届けに行ってくれます。

そこで、あきらかに転居しているような時は、その結果を教えてくれるので、無駄に訪問にいかなくてすみます。

郵便督促でも、転居していたら、「転居先不明」で郵便が差し戻ってくるので、転居したことがわかりそうなものです。

しかし、転居先に転送されていたり、集合ポスト等に手紙が入れっぱなしになっていたりと、しばらく判明しない場合も多々あります。


【基本は夜討ち朝駆け】



これである程度、訪問集金対象者が絞られました。

次は、地域エリアによってある程度分類し、訪問の行程を考えることになります。



訪問の基本は「夜討ち朝駆け」です。



貸金業法で、督促行為は、朝は8時から夜は9時までとされているので、基本的には、その中で、一番メインの顧客への訪問を、朝一番か、夜のラストにもっていくよう行程を組むことになります。

朝の時間を逃すと、顧客が仕事などで外出することも多くなるので、勝負の時間は、それほど長くはありません。

そのため、1回の訪問で、メインに据えれるのは、せいぜい1~2件程度です。

一番、いい時間帯をメイン顧客にあてて、あとは、近所の顧客をついでに回るといったイメージになるでしょう。


さあ、次はいよいよ実践です。(次回に続く)


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大手業者と中小業者の違いについて

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大手業者と中小業者の違いについて


筆者は大手消費者金融、中小消費者金融のどちらでも勤務経験があります。
これらは、もちろん、貸金業というジャンルにおいては同業と言えますが、大手と中小では、同じ貸金業であっても、顧客層、審査手法、ひいては経営哲学まで、その文化は全く異なったものになっています。
そのため、初めて中小業者の利用をする人は、やや戸惑いを感じるかもしれません。
中小業者と上手に付き合うためには、中小業者ならではの特徴を理解することが必要です。
今回は、大手業者と中小業者の違いについて、まとめてみました。
(尚、こちらの記事「初めて中小規模の消費者金融を利用する方へ」も合わせて読まれるとより理解が深まると思います。)


【大手は性善説・中小は性悪説】



①大手業者の顧客層は「マジョリティ(多数派)」
キャッシングを利用したら、大多数の人は、特に厳しい督促などされなくても返済をきちんと履行します。
また、住所、勤務先、年収額など、審査に必要な情報についても、特に、「在籍確認」や「書面の提出」などで裏付けを取らなくても、大多数の人は正直に申告します。
中には、虚偽申告をする人も一定数発生しますが、全体から見ればごく少数なので、それらの防止にやたらコストをかけるのは、効率が良いことではありません。
もちろん、大手でも、「在籍確認」や「書面の提出」などは行われていますが、それは、限定的なもので、基本的には「本人申告」が重視されています。
例えば、大手業者は、50万円までの融資であれば、収入証明等の提出書類を不要としている会社がほとんどです。
その場合、本人が年収300万円と言えば、年収300万円として、500万円と言えば、500万円として、「本人申告」に基づいて審査が行われることになります。
(負債額については、指定信用情報機関での調査が義務付けられているので、大手でも行われます。)

② 中小業者の顧客層は「マイノリティ(少数派)」
対して、中小業者の顧客層は、何らかの事情で大手業者での利用が出来なくなった人になります。
このため、その多くは、「多重債務」、「自己破産・債務整理」、「延滞」など、何らかの金融トラブルを抱えた人になります。
本来、このような層への融資は、業者にとっても非常にハイリスクなことです。
大手のように、本人申告で、やたら融資をしていたら、不良債権が山積みされることになってしまいます。
このため、「在籍確認」、「書面の提出」などできちんと裏付けを取り、ヒアリングなどを行い、優良顧客を選別して融資を行っています。
また、金融トラブルを抱えた顧客が多い分、延滞時の督促行為も大手のそれより厳しい内容になりがちです。



【大手の審査は画一的・中小は主観重視】



①大手業者の審査は画一的
大手業者の審査は、コンピューターを利用した、オートスコアリングシステムが利用されています。よって、基本的には、誰が審査をしても、同じような審査結果が出るようになっています。
コンピューターによって一定の基準を設けているので、人間の主観や思い込みが極力排除され、審査結果にムラが生じにくくなっているわけです。
大手では、このようなコンピューター審査によって、画一的な審査が可能になっており、審査基準のコントロールを行うことも容易になっています。

②中小業者の審査は主観・感覚重視
対して、中小業者の審査は、一定の審査基準はあるものの、ヒアリングによる選別もあり、各担当者や決裁者の主観や感覚に左右されることが多くなります。
このため、審査結果には、ムラが生じやすく、画一的な審査はなかなか望めません。
もちろん、誰がどう見ても、融資可能な内容や融資不可能な内容の審査結果は変わらないでしょうが、微妙な内容の申込みは、審査する担当者によって、審査結果が変わってしまうことは多々あります。
しかし、主観・感覚重視のため、思わぬ可決や高額融資の決裁が出ることもあるので、利用者からすれば悪いことばかりではないようです。



【風評重視か利益重視か】



①大手業者が重視するもの
会社の規模が大きくなれば、社会や世の中に与える影響も大きくなり、いわゆる「社会的責任」、「社会的な役割」という大義を持った経営が求められるようになります。
例え、一時、儲かっても、社会的な正義がないことや、道義に反するような経営は、世の中から叩かれるので、なかなか生き残ることは出来ません。
仮に、企業に全く落ち度がないような場合でも、消費者保護、弱者保護の観点から、企業側が折れた方が得策ということはどの業界でもあります。
このため、大手業者では、天災、人災、入院などの大義名分があれば、かなりの期間、利息を凍結して返済猶予してもらうことが可能となることもあります。
それは、単にヒューマニズムというより、“そこでの利益を惜しんで、社会的な弱者から無理やり取り立てしたという悪評が立つ方が企業としてむしろマイナス”ということだからでしょう。

②中小業者が重視するもの
もちろん、大手に限らず、中小業者にも社会的責任は求められています。
しかし、所詮、中小業者には、大手ほどの資金力もありませんし、社会に対する影響力もありません。そのような中、きれいごとではなく、目の前の利益を追求することもかなり重要な仕事です。
もちろん、中小業者も消費者保護の観点を持って経営をしていますが、企業に全く落ち度がなければ、みすみす損を被るようなこはしないのが普通です。
言い換えれば、“建前重視の大手”に対して、“本音重視の中小”ということでしょうか。
簡単には、利息凍結などには応じてくれません。



【特徴を理解して上手な付き合いを】


やや、乱暴な言い方かもしれませんが、貸金業者の本音は、「貸さない親切」といった建前ではなく、「貸してなんぼ」というものです。
中小業者は、まさに“リスクの高い申込者に貸してなんぼ”という世界です。
そして、そんな中小消費者金融の需要は確実にあります。
ここであげた特徴を理解していれば、中小業者とも、トラブルのない付き合いが出来ると思います。


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消費者金融こぼれ話  第一話【500円の男】

キャッシング情報局

消費者金融こぼれ話  第一話【500円の男】



いまどきの消費者金融はあまり訪問に行かないそうですが、つい10年くらい前までは訪問は取り立ての基本でした。
訪問による「取り立て」は、生身の人間同士のやり取りなので、そこから生まれるドラマも多く、今より顧客との距離ももっと近かったように思います。

新入社員が入ったら、“まずは、訪問に同行させて現場に慣れさせる”というお決まりのコースもありまして、そこで2回ほど先輩社員に同行してもらった後、新入社員は晴れて独り立ちをすることになるわけです。
さて独り立ちを許された新人君は、鼻息も荒く、やる気に燃えて、いざ訪問に出かけるのですが、熟練の債務者と新入社員では、相撲で言えば、横綱と序の口。
まさに初めてのお使いよろしく、適当な口約束で手玉に取られて、みごとに追い返されてしまいます。そして会社で上司に怒鳴られるというのも、もう一つのお決まりのコースでもありました。

まあ、新入社員には、「かわいがり」の意味も含めてわざと手強い顧客をぶつけたりするものですが、これも、仲間になるための通例儀式みたいなものでもあります。

消費者金融から取り立てをされる「債務者」と言うと、なにか弱々しい被害者のイメージがあると思いますが、中には、回収担当を軽く手玉に取るような、たくましい債務者もいたものです。
ひと昔前は、どこの消費者金融の支店にも、新入社員の「しごき相手」が出来るような、煮ても焼いても食えない、名物顧客が必ずいました。

今回は、「消費者金融こぼれ話」として、回収担当の上を行く、そんな「名物顧客」の話を紹介したいと思います。
尚、人物、団体を特定できないように、名前や場所については脚色しているものの、99%は筆者の実際の体験談です。


第1話【500円の男】


筆者がかつて勤めていた消費者金融の支店には、集金に行けば、必ず500円だけ支払うという顧客がいました。「前の担当とそのような話になっている」という話でしたが、いつ誰とそのような約束をしたのか、誰もわかっていない状態でした。
当時の消費者金融は、従業員の定着率も悪く、3年ほど経てば、メンバーが総入れ替えされているといことも珍しくありませんでした。店長も、最近、本部から転勤してきた人だったりするので、少なからず、このように前任と謎の約束を取り交わしたという人物が出現することもありました。
さて、この500円男、残金は約50万円ほどでした。そして誰が和解したか分からないが、金利は0円になっています。
金利0円でも、50万円を月々500円づつで返済すると、計算上は1,000回、なんと83年以上かかるという無茶苦茶な話です。
もちろん差押えできるようなものは何もなく、他の顧客の集金ついでに、寄ってきては、毎月500円を回収してくるという体たらくでありました。

当時、新しく回収担当として赴任してきた筆者は、その有り様を見て、回収担当に激を飛ばします。
筆者:「お前ら、乞食じゃないんだから、500円なんて貰ってくるのはもうやめろ!」
担当:「でも、もう何年も続けているから、これ以上、金額上げるのは難しいですよ。」
筆者:「金融マンとしてメンツを立てられないなら、もう回収に行かなくてもいい!」
筆者としては、いつまでもこのような取引を続けていることが、社員教育上も良くないと判断しての発言でした。
そんなやりとりもあって、500円男のところには、もう集金には行かないことに決まり、数カ月が経過しました。

500円の男 こぼれ話2

さて、消費者金融には貸出しの営業目標だけでなく、不良債権の回収目標も本部から課せられています。
そして時には、回収目標の数値が、貸出し目標の数値よりも重視されることもあります。
その当時も、会社を上げて、不良債権の回収を強化するということで、各支店でいわゆる「不良債権比率」を競わせていました。
そして、ついには回収率が最優秀の店舗には、なんと、従業員全員に金一封が支給されるという、社内キャンペーンがスタートするまでに至りました。
このような不良債権回収のキャンペーンは、従業員の取り立てがエスカレートする可能性もあるので、今では、あまり聞きませんが、昔はどこでもあったようです。

現金なもので、目先にニンジンをぶら下げられれば、俄然やる気が出るものです。
筆者の店舗もご多分に漏れず、皆、血眼で、不良債権の回収に必死でした。
その甲斐あって、筆者の店舗は、月末最終日の段階で、全支店中、2位の位置まで、こぎつけていました。
そして競合店舗は、筆者の大嫌いなあの野郎がいる店舗です。(当時、店舗同士はあまり仲良くなく、むしろ牽制しあっているような関係でした。)
もちろん、金一封も魅力的でしたが、そんな個人的な感情もあって、どうしても、この店舗だけには、負けたくありません。
そして今やその1位店舗との差は、30万円までこぎつけました。
しかし、どうしても、本日中にこれ以上、回収できそうな顧客が見つかりません。
そんな時、ふとあの500円男のことが頭をよぎりました。
「奥の手だけど、あいつから500円徴収すれば、50万円分の不良債権が消える。これで大逆転してやる!」
かなりの反則技ですが、この際、きれいごとは言ってられません。
そう思うや否や、既に足は500円男の自宅に向かっていました。

筆者:「●●金融ですけど。」
男:「ああ、アンタか。ずいぶんご無沙汰だったね。もう来ないかと思ってたよ。」
筆者:「とりあえず、今回分の支払いをして下さい。」
男:「もう来ないと思ってたし、あいにく、今日は全く持ち合わせがないよ。」
筆者:「持ち合わせがないって、500円くらいなんとかして下さい。」
こんなやり取りが続いたあと、500円男は最終的にこう言い放ちました。
男:「200円ならあるけど、どうする。」
筆者:「に、200円って・・・・」

その後、筆者の居た店舗は、不良債権の回収でみごと最優秀賞を獲得し、支店の従業員全員が金一封を獲得することとなります。
その後、筆者は配属異動もあったので、例の500円男がどうなっているかはわかっていません。
しかし、あの500円男、筆者の後任の者には、おそらくこう言っていたことでしょう。
「俺は200円しか払わないよ。だって前任の人と約束したことだからね。」



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